あちこち。
・「ルノワール+ルノワール展」@京都国立近代美術館
・覚悟していたほど混雑しておらず、ゆっくり観ることができました
・照明が油絵に反射し、正面からだときちんと見えない状態だったのが残念です
・息子の映像作品も一緒に展示している、というのを面白く思いました
・画家ルノワールの作品では「座る娘〈エレーヌ・ベロン〉」が好きです 「ピション婦人の肖像」もきれいでした
・監督ルノワールの作品にはあまりぴんと来るものがないなあ、と思いながら回っていたら最後の「フレンチ・カンカン」にひきこまれました
・女性の足をきれいに見せる踊りと、たっぷりとした生地のドレスに弱いのです
・露出の少ない服を着て、それを惜しげもなくまくり上げて見せるという演出の外連味と色っぽさ
・網タイツも素敵だと思います
・品のない、猥雑な踊りというイメージがあり、まあ実際にそうなのですが、それでもひどく楽しそうで、魅力的だと思いました
・一度実際のショーを観てみたく思います
・作品と言うより、「フレンチ・カンカン」という踊りそのものに惹かれたふしもあります
・それでもそれをあそこまで魅力的に、鮮やかな色彩で描いた手腕は評価します
・「恋多き女」のイングリッド・バードマンもきれいでした
・ 連続オープンセミナー「ラグジュアリーの本質」第四回講演会 稲垣直樹「虚飾の快楽と悲劇―?―20世紀のパラダイムとイヴ・サン・ローラン」@京都国立近代美術館
・オートクチュールからプレタポルテに移行する時期のファッション史、イヴ・サン・ローランの生涯
・それを軸に、近現代における現実の仮想化、目に見えるものの虚構化を語っていかれました
・全体的に駆け足、映像資料も切れ切れで全部見せていただけず、ちょっと残念
・とはいえお話は面白かったです
・18世紀の「人間機械論」、人間は機械と同様のメカニズムで動いているという考え方が21世紀には「人間情報論」、人間は情報の集積であるという考え方に移ろうとしている、という論
・イヴ・サン・ローランは「空疎な天才」であり、それがために時代の要請に応え続けることができた
・モンドリアンの絵画をプリントした服など、引用・オマージュを多く用いた
・再提唱、既に情報として流通しているものに再度自分の意味づけをする
・それはオートクチュールの天才、バレンシアガの方法(徹底してマヌカンに合わせたフィッティングを行い、禁欲的なまでに外部の情報―流行など、既存のものすべて―とは関わりを持たない)とは対照的
・イヴ・サン・ローランは生涯を他者(女性)にラグジュアリーを提供することに費やしたが、自分自身がラグジュアリーを味わうことはほとんどなかった人生なのかもしれない
・彼が引退パーティでクチュリエとして最後に残した言葉は、「旅に出たい。そして戻ってきてもういちど服を作りたい」であった
・大成功を収めたイヴ・サン・ローランが求めた最後の、もしかしたら唯一のラグジュアリーは「旅」
・日常とはちょっと違うところに行き、戻ってくる
・そうしてそれは21世紀の文化が体現する「非現実」ではない、日常のなかの非日常 実際にお金を使い、自分の身体でどこかに行き、戻ってくる
・彼は2008年6月1日に死去、存命中に購入していたマラケシュの庭園に埋葬された コバルトブルーの建物が建つ、異国的で不思議な場所
・そこに眠ることは、彼が死してはじめて得たラグジュアリーかもしれない
・「feel about you」(潤井一壮)@ギャラリーはねうさぎ
・デジタル写真のプリントアウトに、原色を使って手描きであれこれ描き足した作品
・あらわれるものがあまりになまなましく、とりわけ人物の写真に描き足しを行ったものは正視するのがつらくて、まともに観ずに通り過ぎそうになりました
・でも写真の切り抜き方は好きです
・描き込みさえしなければ、むしろ気に入った作品群かもと思いました
・なぜこんなことに、と思い作者さんにおはなしを伺ったところ、ここにある作品群はひとりの女性との関係性にまつわる、ほんとうに個人的なものたちのようです
・そのおはなしが面白く、これを聞くと聞かないとでは作品の魅力が段違いのように思いました
・「そのおはなしも含めて作品にすればいいではないですか」ともちかけたくらいです
・が、どうも作者さんはそういうことをしたくないようでした
・確かに、あまり自分から「商品」としてひとに切り売りしたい類のおはなしではないでしょう
・それでもつくらずにはいられなかったのでしょう
・「fukikobore 展 152033」@ギャラリーはねうさぎ
・高校の机と椅子が部屋の隅に置かれ、その引き出しから銀紙に包まれたチョコレートが山ほどあふれ出し、部屋の一角を埋めているというインスタレーション
・作者さんは3人、同級生でタイトルの「15 20 33」はそれぞれ彼らの出席番号とのこと
・高校の頃の夢とかは「甘い」と馬鹿にされがちだけれど、その甘さは必要なものなのでは、というようなコンセプトらしいです
・それなしでも、ともかく机と山ほどチョコレートがあるという状態がきれいで面白く、気に入りました
・チョコレートは段ボールに8箱、通販で購入したそうです
・展示終了後はチョコレートパーティをやるそうです
・ひとついただきました おいしかったです
・作者さんたちはまだ学生さんで、こういう作品を作れてしまうことに「甘さ」を感じます
・そうしてそれは決して悪いことではない、とも
・好きな作品です 総じて好印象
・「内」(田村和子)@ギャラリーはねうさぎ
・白黒の、女性が写っている映像作品
・真っ白な室内の壁に投影され、入り口に白い薄膜のようなカーテンが下げられており、鑑賞者はそれ越しに映像を観るかたち
・ああ、グロテスクなものをきれいにまとめましたね、私の好きな方向性ですね、という印象
・「少女」ほどグロテスクな生き物はいません
・「吉原和惠展」@アートスペース虹
・鮮やかな色のなにかが室内に構成されているという作品
・作品より作者さんのほうが印象に残りました お年を召されているように見えるのですが、作品はとてもポップで、年を重ねた方が使う色、構成という感じがしません
・世界が新鮮に見えているひとが作りそうな作品
・いくつになっても色鮮やかでいることはできるのだと思いました
・3度勧められて、お茶をごちそうになりました
・これら展覧会で面白いおはなしを伺え、それはとてもよかったのですがそのために時間が立て込み、このあとの移動が若干必死なものになりました
・どうも私は遅刻しそうになるたびにだんだん足が速くなっていきます
・維新派ワークショップ
・別記事に