職場では通常、機動性を最優先にした格好をしています。
いつでも全力で走れる靴を履き、丈夫な生地のパンツとシャツ、髪は適当に束ねるかアップにして、お化粧はしていません。
他の方はきれいにしておられるのですが、私は常に力仕事や汚れ仕事にも対応可能な格好でいるようにしています。
窓口業務に出ないため、特に問題もありません。
ひとにお会いする機会ができました。
業務終了後の待ち合わせです。
私は以前からそのひとの作っておられるものが好きで、そういう機会を得られたことがほんとうに嬉しく、なるたけきちんとした身なりでお会いしたいと思いました。
が、私の普段の格好は上のようなものです。
服は普段と違うものに、お化粧はきちんとするにしても、髪はどうしましょう。
ばさばさした印象にならないまとめ方をあれこれ試してみたのですが、なかなか巧くいきません。
そこで、職場の女性陣にご相談してみました。
皆様、既婚でお子様もおられるくらいの年代です。お洒落に関してはたくさんの経験をつんでおられるはずとお見受けしました。
お昼休み、歓談中の輪に入って切り出します。
「髪がばさばさにならないこつとかありませんか?」
「え、急にどうしました」
「明日大事なひとに会うので、きちんとしたいんです」
そう言った瞬間、皆さんの雰囲気が妙に楽しげなものに。
あらあらまあ、いいわねえ若い方は、というようななんともいえない祝福を込めた暖かな目がこちらを向いて、そこになんだか凄い誤解を感じるのですがどう訂正してよいのかわからず。
ちなみに髪をきれいにまとめるこつについては、
「そのままで十分きれいだから自信を持って」
という励ましで流されました。
お洒落に関する相談は難しいものです。