作品に関する予備知識のない状態で、深夜アニメ「我が家のお稲荷様」の初回放送を観ました。
「木の妖怪が出てきたので、金の力を使って対抗しましょう」
というような台詞が出てきて、なるほど陰陽五行で相剋関係にあるものを使うのですね、納得していたら
「昔封印した金の気を持つ狐を使いましょう」
という流れになり、首を傾げます。
お稲荷様をあえて五行に当てはめるなら、豊穣神なのですから普通は土なのではないでしょうか。
しかも「金の気を持つ狐」として出てきたのは白狐でもない、普通の黄色い狐です。白ならまだ、「白は金の色、その色を持つ動物は金気」というような理由付けもできそうなものですが。
設定ミスでしょうか物語の都合でしょうか、それともこのお稲荷様には金気に属する妥当な理由付けがされているのでしょうか。
はらはらしながら観ていましたら、妖怪と対峙したお稲荷様が日本刀を取り出し、途端に合点がいきました。
ああ、小鍛治ですか!
そういえば刀鍛冶と稲荷信仰も関わりがあるのでした。
しかしそうすると、このお稲荷様は無数にいるお稲荷様の中でも鍛冶に関わる種類ということで、なにか特定が可能そうな気がしてきます。(あるいはそのまま、小狐丸なのでしょうか)また、各種の伝説や逸話から引用できるものも限られてきそうです。
この設定は作品の展開を不自由なものにはしないのでしょうか。普通の豊穣神、ごく一般的な稲荷にしておいた方が、引っ張ってこれる逸話は多かったように思い、すこし心配です。
フィクション、かつアニメとはいえ、実在する稲荷信仰と異なる部分があまりに多いと興を削がれます。
それとも、お稲荷様が美少女に変身している時点でいろいろあきらめるべきなのでしょうか。
作品のあらすじとは異なる部分で、なかなかに手に汗握る30分でした。