年に一度くらいの頻度で、顔をひどく腫らします。
症状はそのときどきでまちまちながら、瞼、口元などの、皮膚の弱いところを中心に、紅斑が出たり腫れ上がったり、悪化すると皮膚が崩れたようにじくじくと傷になり、どうにもお見せできない容貌になります。
正式な検査を受けたことはありませんが、おそらくなにがしかのアレルギー体質なのです。
ただ、アレルゲンが複数あり、加えて体調が弱っているときのみ発症するため、 抗原の回避が難しい状態です。
これまでには、練乳、マンゴー、銀杏などで発症しました。いずれも、体力があるときの摂取では、全く問題の無かった食材です。
次に何が抗原になるのか、予測がつきません。
何でも食べたい性質ですので、 今後の発症を防ぐのは困難な気がします。
折角なので、この体質を、なにかしら前向きなことに活かせないかと考えました。
たとえば、 顔貌の損傷を偏愛するタイプの方とお付き合いするなどすれば、ときどき顔に傷ができる私の体質は問題ない、というよりむしろプラスにはたらくのではないでしょうか、と。
よい思いつきだと自画自賛した次の瞬間、しかしながらその場合、その方の愛情ゆえに積極的に抗原を摂取させられる可能性もあるのかしらと思い至り、戦慄しました。
どうもこの愛情のかたちは実りそうにありません。
というか、なんでも有効利用しようとするものではありません。
ともかく私の食事は常時割とスリリングで、私はそれをすこしだけ楽しんでいます。