すこし前に、ぎんなんでアレルギーを発症しました。
発症時はぷっぷくに腫れ上がって二目と見られぬ顔になり、原因物質がわからないまま再度ぎんなんを食べたところ、治った唇に水疱が再発。
ああ原因はこれか、とわかったところで時すでに遅し。
それから一ヶ月間、外出時はマスクを外せないような状態でした。
もうあのような目には会いたくありませんが、今後の人生でぎんなんを食べることができないのは、たいそう切ないです。
たとえば苦手なきゅうりで発症したならがまんもそうつらくはないものを、なぜよりによって好物で。
などと嘆いていたところ、原因物質をすこしずつ摂取することで身体をその物質に慣れさせ、症状を抑える療法を教えていただきました。
これならまた、ぎんなんを食べることができます。やったあ。
ただ、それで症状が出ては元も子もないので、摂取する量はあくまで微量、それも様子をみながらすこしずつ、というやりかたになるそうです。
ぎんなんなら、まずはひとつぶだけ。
そのあと一週間ほど様子をみて、症状が出なければまたひとつぶ、という具合です。
ですが食欲に弱い私に、大好きなぎんなんを一粒だけ食べてあとはがまん、などという高度なことが可能な気がしません。
好物をちょっとだけ食べてがまんするのは、全く食べずにがまんするよりむしろ難しい気がします。
ぎんなんを一粒だけ炒るのも、たくさん炒るより難しい作業のような気がします。
失敗すればまた一ヶ月、ひとさまにお見せできない顔になります。
ぎんなんに対する愛が試されている気がします。