ちいさい頃の手には雨の日に差す傘が重く、肩にもたせかけるようにして斜めに持つ習慣がつき、そのままずっと傘を斜めにさしていたものですから、雨の日は常にずぶぬれており、傘をまっすぐにさせばあまり濡れずに済むのだと気付いたのはつい数日前の晴れた日のことで、気付けば私は傘が苦手なまま結構な大人になっており、いささか衝撃を受けましたが、傘が下手なせいでできた寄り道や出会いもすくなからずあったことを考えると、このどんくささはそう悪いことばかりではなかったようにも思うのです。
楽しげなほうに流れる性質です。