以前、結構な期間にわたって
「身体操法をやってみなさい」
と勧めてくださっていた方がいて、だけれど私は身体を動かすのが巧くないことにコンプレックスを抱いており、誰かに運動を習うということに恐怖感すら覚えておりましたので、あまり気乗りしません、まあそのうちやります、とお茶を濁し続けてきました。
そのうちやりとりが途絶え、お勧めをいただくこともなくなりました。
維新派のワークショップに通い出したのは、その方の言葉が気にかかっていたからで。
稽古をはじめてみて、お勧めが正しかったことを知りました。
反復と調整で自分の身体が少しづつ思い通りに動かせるようになっていくこと。
できなかったことができるようになること。
それが自分のありかたに齎す影響はとても大きくて。
身体の鍛錬が精神のありかたをすこしずつ変えているように思います。
前よりも胸を張れるようになりました。
それは私にとってほんとうに画期的なことで。
あの方は、こうなることを知っていたのでしょうか。
私に欠けていたものを、それを補う方法を。
勧めに応じず、自分の苦手分野を嘆きながらもぐずぐずと行動に移らない私をどんな思いで見ておられたのでしょうか。
正しい言葉を貰っていたことに今頃気付きました。
お礼を言いたいと思っています。
だけれどあれはもう随分前のことなので、私はもう忘れられてしまっているのかもしれません。