人間風車(2000年版)のDVDを観ました。
身近に後藤ひろひと好きの方がおられまして、「ダブリンの鐘つきカビ人間」「姫が愛したダニ小僧」「SPOOKY HOUSE」「発熱!猿人ショー」と、あれこれDVDを借りて鑑賞させていただいています。
概ね夢も希望もない脚本を書かれる方だと認識しています。
笑いはあちこちにありますし、悲劇ばかりというわけでもありません。
それでも、底流になにかひどく乾いたものがあるような印象を受けます。
初めてこれらの作品を観たときには書き手の精神状態が心配になりました。
その後何作か観てみて「そうか、長年にわたってずっとこの方はこうなのだ、なれば致し方ない」と納得しました。
人間風車はとりわけ救われないおはなしでした。
致し方ありません。
このひとの舞台は、笑えるのに楽しくありません。
どうも、幕が下りたときに幸せな気分にはなりません。
だけれど絶望的な気分になるというわけでもありません。
物語に救いはなく、世界観には夢も希望もないと感じたときに、それにどう対応するか考えます。
提示された世界観を否定できるだけの救いや夢や希望は身の回りにあるだろうか、と考えます。
提示されたひとつの世界観をどう消費するか試されているように感じます。