11月24日、地下教室の壁を利用した上映会で、ぼろぼろのソファに深く座って「ジョゼと虎と魚たち」を観ました。
はじめから終わりまで観ていた観客は私一人。
まっくらな海の底にいた。
何も見えないから、そこがさびしいのかどうかもわからなかった。
あなたに出会ってしまったから、もうあそこには戻れない。
あなたがいなくなったら、私は深い海の底をひとりでころころと貝殻のように転がることになるのだろう。
それもまた、よし。
そういう台詞がありました。
それだけ好かれて、なにもかも預けられて、それを全部背負っていくのは難し過ぎることなので、そこにいたひとは逃げ出していなくなってしまって。
それでも、ひとりになっても、生きてはいけます。
背負ってくれるひとがいなくなっても、強さがあれば努力をすれば外に出ることはできます。
ひとりでどこにでも行かれるようになるのはよいことなのだと思いました。
ひとりでどこにでも行かれるようにならなければならないのだと思いました。
それが楽しいことばかりでなくとも。
真っ暗な会場から出ると外は既に夕闇、月が晧々と光っていました。