あらゆる方法を尽くしてよいものをつくろうと努めた結果独自性を捨てることを選ばざるを得ないという状況は起こりうるのではないでしょうか。
そのものの質を高めるのに貢献しない独自性に拘ることは功名心、自己満足でしかないのではないでしょうか。
自分のためになにかをつくるのか、誰かのためになにかをつくるのか、なにかのためになにかをつくるのか、そのために取れる最善の手段はどのようなものなのか。
必要なものはその場合に応じて異なっていて、必ずしも独自性が必須でない場合もあると思うのです。
最善を尽くした結果出来上がった切り貼りがよいものならば、それはそれで愛されるに値するものなのではないかと思うのです。
自分の技量を実際より上に見せようとして行う剽窃は責められてしかるべきですが、自分自身が評価されることを諦めて矜持を投げ打ってただただよいものをつくるためだけにそのためだけに行われた模倣や引用があれば、それは。