飲み物を保温できる便利な器、サーモマグを導入しました。
なるほど、珈琲もお茶も注いでからしばらく温かいままです。
これはよいものですね、と感心。
数分後、自分の猫舌では注いでからしばらくの間飲み物を口にできないことに気付きました。
飲み物を保温できる便利な器、サーモマグを導入しました。
なるほど、珈琲もお茶も注いでからしばらく温かいままです。
これはよいものですね、と感心。
数分後、自分の猫舌では注いでからしばらくの間飲み物を口にできないことに気付きました。
定期的にひきこもります。
ここ何ヶ月かはそういう時期で、外出の頻度が落ち、部屋で過ごす時間が増えていました。
で、今日机の隅に置きっぱなしになっていたチラシなどを整理していたら、今月は面白そうな舞台がいくつもあったのに気付きました。
ひきこもるのに夢中で、行きそびれてしまいました。
すこぶる残念です。
外側に対して開いた部分を残しておかないと、見逃してしまうものがあります。
時々は閉じて内側に篭る時間を持たないと、失われてしまうものがあります。
重要なのは相応の加減です。
何もしない時間も必要です。
そうしてそれは、多すぎても少なすぎてもよくないのです。
ひきこもっている間にも時間は流れていて、外には常に面白いものがあり、それは移ろい続けています。
いつでもそれを見逃すだけの価値のある時間を過ごせているかどうか、自問し続けることで自分がいるべき場所は今どこなのかが見えてくるように思いました。
時間が有限であることを忘れるべきではありません。
「ごくまれに、他者から深く強く影響を受けることがあります」
「ふうん」
「そうなると、その方がいない場所でも、なにかに遭遇するたびについつい『あの方ならどのように対応するだろう、あの方なら何と言うだろう』と考えてしまいます」
「ほう」
「自分の内側にその方が常にいる状態で、しかしそれは『私の思い浮かべるその方』であって、その方とは異なる影に過ぎません」
「そうだね」
「誰かの影を見続けるのは、その誰かの不在を確認すること、自分がひとりであることを常に意識することでもあるので、寂しいものです」
「ううん」
「しかしながら一旦そこまでの影響を受けてしまうと、最早容易にはそれを意識から外すことも叶いません」
「そうなの?」
「例えるなら、気付かないうちに常時起動のアプリケーションが勝手にインストールされていて、アンインストールもできなくて、削除しようにもレジストリに山ほど書き込みされていて手に負えない、そういう状態です」
「それならフォーマットしてOS再インストールすればいいよ」
「うん。うん……ええと、それはつまりどういう状態?」
「人生☆リセット?」
「ないから。人生にそんなボタンはないから。あるのは押したら二度と復帰できない電源ボタンだけだから」
「まあ、それでもいいんじゃない?行き詰っているなら押してみたら?」
「うん、それ死んじゃうからね?君は極めて婉曲な表現で私に死ねと言っているのだよね?」
ここのところ体調が優れないと思っていたのです。
寝覚めが悪く身体がだるく、出勤がつらく感じられました。
どうも集中ができず、仕事の効率が落ちていました。
風邪気味なのか、季節の変わり目にありがちな気鬱か、そんな状態なのだろうと考えていました。
他部課の親しいひとと話をしました。
「それにしてもそちらの課、ひどい状態ですね」
と言われて、首を傾げました。
なにかひどいことがあったでしょうか。
私と同じ課の方々は皆よい方で、互いに仲が良くて、お仕事に熱心で、最近は特に忙しく頑張っておられて。
それでも処理速度が業務の量に追いつかず、皆さんは少々余裕を欠いておられて。
過酷な状況を乗り切るために、過剰にはしゃいで課員同士でべたべたと群れるように仲良くして、特定の方を疎外してこっそりと陰口を言って笑って、そういうことで親しさを確認するようになっていて。
そういうありかたには馴染めず、私はあの方たちから距離を置くようになっていて。
ああ、ここはもう、随分前からひどい状態でした。
それに気付いていませんでした。
皆さん、ひとりひとりはほんとうに善良な方なのです。
それでも余裕のない環境に置かれて、皆さんすこし疲れてしまわれて、それを乗り切ろうとするうちにいささか悪ふざけが過ぎてしまって、多分それがおかしな状態であることに誰も気付いていなくて。
疎外されている方は群れている方々と別の業務、別の人間関係を持っていて、更に元々期間限定の業務でこちらに来ておられた方なのでもうじき退職することが決まっていて、ここでどう思われたところで特に困らない、というように振舞っておられて。
多分私が何もしなくとも、あと少しすれば何事もなくここを去っていかれるのでしょう。
いいえ、何もしないほうが、ことを荒立てないまま穏やかにあの方を見送れるのでしょう。
だけれど。
気付かなかったのは、気付きたくなかったからです。
見えなかったのは、見たくなかったからです。
善良な方が常に正しい行いをするとは限らないし、誰に悪意がなくともひどいことは起きるものだと知っていました。
知っていても、受け容れがたいことでした。
誰が悪いとも思いたくありません、きっと誰も悪くはないのです。
私は誰のことも嫌いではありません。
それでも。
はじめて、ここにいるのがつらくなっていることに気付きました。
「新人さんが入ってきて、なんでも一から説明しなければならなくて」
「そうですか」
「たとえば、書類を渡して『みんなに配るからコピー取っておいて』って頼んで、『何部ですか?』っていうから、冗談で『1000部くらい取っておいたら?』って言ったら、『わかりました!』って言って本気で1000部印刷しはじめそうになるし」
「ああ、でもはじめてのうちはそんなものですよ、そう怒らなくても」
「私は怒っているのではなくて、嫉妬しているのよ。私にはこれができて彼女にはできないということに、迷いもなく素直に大量のコピーを取りに行ってしまう姿に、嫉妬しているのよ」
先々週に「レイトン教授と不思議な町」と「レイトン教授と悪魔の箱」の2本をクリアしました。