お正月は家族が集まり、大層にぎやかでした。
皆が集まっているところで、昔のホームビデオを観る機会がありました。
テレビに映し出される、かつての、家族が多かった頃のうちは、概ねいつも、騒々しいほどにぎやかな様子で。
そこに時折映るちいさな私は、カメラを向けられれば笑ったり歌ったりするのですが、なにかにつけてふいっと姿を消してしまうのが常でした。
ビデオの上映中、今の私もにぎやかな席に時々飽きて、ふらりと自室に篭もりました。
静かな部屋の中で、自分があの頃とあまり変わっていないのに気付きました。
ずっと、ひとりになりたかったのです。
家族のことは大好きでした。
みんなといるのは楽しいことでした。
ただ、ずっと一緒にはいられませんでした。
そうして、家族もそれを知っていました。
だから別段引き留めず、さりとて疎外もせず、各人の心地よい範囲で、よい距離を保ってくれました。
それは私にとって、ほんとうにありがたいことでした。
今年も、家族と話したり話さなかったり、一緒にいたりばらばらに過ごしたりしながら、楽しいお正月を過ごすことができました。
うれしいことです。
今も変わらず私はさびしがりで、完全にひとりにもなれないし、誰かとずっと一緒にもいられません。