稽古をしていて、自分の不器用さに落ち込みそうになることが増えました。
しかしながら、過去の記録を読み返してみると、1週間前はできていなかったこと、2週間前は完成図を想像することもできなかったことができるようになっているのがわかります。
複雑に過ぎて覚えられなかった流れを、すんなり頭の中で再生することができるようになっています。
自分の能力ではできるはずがないと思っていた動きを、それなりに作れるようになっています。
すこしずつでも、できるようになっているから。
今はできないことも、もっと反復を繰り返せば。
そう思って希望を抱き、本番までの時間の少なさに慄然とします。
本番まで一月を切り、否応なしにできることは限られてきました。
時間があればできるはずなのに。
もっと高い場所にも届くはずなのに。
不安とか悲しいとか悔しいとかではなく、ただ正しく動くことへの渇望が胸を占めてなりません。
自分がこうも身体を動かすことに執着する日が来るとは思っていませんでした。
それが嬉しくもあり、つらくもあります。
もっと動きたいのに、正しい動きを覚えたいのに、現時点で自分の持つものは圧倒的に足りず、行きたい場所にはまったく届けずにいるのです。
それでも時間は限られているので、その中で最善を尽くすよりありません。