所蔵図書館マップ(仮)(Myrmecoleon in Paradoxical Library. はてな分館)
公共図書館のデータも入れることができれば便利でしょうね。
しかし私の知る限りにおいて、公共図書館の所蔵書籍データというのはあまり汎用性の高くない状態になっていることがままありますので難しいことかもしれません。
関係があるようなないような記事。
西鶴・近松に危機迫る、大阪・中之島図書館の空調故障こういう状況は大阪に限ったことではないことを知っています。
井原西鶴の筆跡が残る懐紙や近松門左衛門の浄瑠璃本など、大阪府立中之島図書館(大阪市北区)が保管する古典資料が、危機にさらされている。
劣化防止用書庫の空調機が10年余り前に故障したが、財政難の府が設備更新を認めないからだ。現時点で影響は見られないが、今後、損傷が出る可能性があり、担当者は「早く空調設備を取り付けてほしい」と嘆いている。
貴重書庫と名付けられたこの書庫は1960年、温湿度を調整できるよう空調機を備えて5階に設置された。約70平方メートルで、直射日光などを防ぐため鉄の二重扉で窓のない構造だ。
保存されている資料は約8000点。元禄5年(1692年)に刊行された井原西鶴の「世間胸算用」初版本全5巻を始め、西鶴が自筆で俳句を書き、知人に贈ったとされる「申年歳旦(さるどしさいたん)懐紙」、弘化4年(1847年)ごろ、近松門左衛門の浄瑠璃本などを個人がまとめた「往古梨園集」全3巻など希少価値が高い資料が多い。
[読売新聞 02月23日]
予算がかつかつで、人員がおらず、当然満足なデータベースを作ることなどできず、そもそも新しい試みに手をだす余裕がない、そんな図書館が決して少なくないことを知っています。
以降一晩おいて後の追記です。
だから公共図書館のデータを入れるために必要な、公開されている、汎用性の高いデータベースを作成するための予算と人員を捻出するのは困難なことではないかなあと昨日までは思っていたのですが、一晩考えたらそんなこともない気がしてきました。
だって、お金はあるのですもの。
詳細は省きますが、文科省の事業の一環で公共図書館に何百万円もする機械を購入したことがありました。
事業の意図とその地域住民の需要が巧くかみ合わなかったのか、その機械は現在までほとんど有用に使われていない状態です。
でも予算は下りましたし、図書館だけでなくいくつもの施設にその機械が導入されました。
お金がないわけではないのです。
上の機関が動いてくれれば、使い道が変でも喫緊に必要な案件でなくとも即座に結構大きな額の予算が組めるのです。
文科省がちょっとその気になれば公共図書館のデータ程度、作れないはずがありません。
所蔵書のISBNデータくらいなら元々各館が持っているものと組み合わせることも可能でしょうし、やる気になれば随分簡単に上のマップを補完して完璧なものにできるのではないでしょうか。
ただその場合心配すべきは、あちこちの審議を通すうちになぜか巨額の資金が無意味につぎ込まれたり、利用者不在の場所でことが進みすぎて誰にとっても使いにくいわけのわからないものが出来上がってしまう可能性であったりもします。
上の所蔵図書館マップ(仮)はとても便利なものになりうるアイデアだと思います。
今後どのようなひとの手でどのような進化を遂げるにせよ、健康に育つことを願うばかりです。