鍵盤の筆跡

石榴

今年は庭の石榴の木が、食べられるくらいに大きな実をつけました。
　甘酸っぱくてなかなかおいしいです。

ひとに会いました

ここしばらく気鬱の虫に憑かれています。

　久しぶりにひとに会いました。
　特に重要なおはなしはしませんでした。
　ただ、会えただけですこし気が軽くなりました。

　情けないことだと思います。
　美学はさておき軽薄であれ、あらゆる手段を尽くして気楽に生きるのが幸せへの道なのだとも思います。

　いずれにせよ、すこし前までひとに会うことが気晴らしになるなどと考えたこともありませんでした。
　他者と会うのは常に気遣いを必要とする一大事でした。

　なにが変わったのでしょうか。
　これまで実体のないものに怯えていただけで、なにも変わってはいないのでしょうか。

　今ならあなたに笑ってお会いできる気がします。
　どうかあなたがそれを望んでくださいますように。

英語の勉強法

英語の勉強をするのに良い方法はどのようなものでしょうか、と色々な方に伺いました。
　得られた意見。

・とにもかくにも単語と文法を学ぶべきだよ
・とりあえず英語圏に行ってみたら話せるようにはなるよ
・もえたんを買ってみるといいと思うよ

　最後の意見は私をどう育てたいのでしょう。

　だけれど、英語で話したい内容を持つ、話し掛けたい相手を持つというのはきっと有効な方法なのだと思えます。
　私に足りないのはきっと情熱です。

　やりたいことがありません。

　やりたいことを見つけてしまうと、それ以外のものが目に入らないくらいにのめりこんでしまうことを知っています。

　どちらが幸せな状態なのかを知りません。
　だけれどなにもない今は、自分を制御しかねるほどの衝動を、動かずにはいられなくなるあのざわざわとした感じを、すこしだけ恋しく思います。

　そういうものに憑かれる瞬間を待ちながら、そういうものから逃れることに成功しながらただここにあります。

痛恨の失敗

18号と17号の名前を間違えました。姉弟。

見える箱はいつもひとつなので

宅配便のトラックの中身をちらりと覗いてたくさんの箱が詰まっていることに衝撃を受け、自らの想像力の少なさに慄きました。

夜の朝顔

夜中朝顔の蔓に沢山の蕾がついているのを見ると明日の朝が楽しみになるので、朝顔は希望を孕む良い植物です。

痛い夢

奥歯をそうっと舌でつつくと無惨に割れて歯茎から外れてしまっていて、激痛に堪えながらどうにか抜けてしまった歯の欠片を口から取り出して途方に暮れる夢を見ました。
　ひどく痛くて、目覚めたあとに夢でも痛みを感じるのかとすこし不思議に思いました。

　歯が抜ける夢は確か良い夢です。

おちゃわん

母が遅めの夏ばてをしたようで、食欲があまり見られません。
　今日は随分ちいさなお椀でごはんを食べていました。
　よく見るとお湯飲み茶碗。

　ちいさな、しかし断固たる違和感を覚えました。
　一刻も早く回復して欲しいものです。

夕暮れ時に

真っ白な裸足を自転車のペダルに乗せてすうっと走っていく、セーラー服の女学生を見ました。

留守の間に

数日家を空けておいて帰宅した朝、それまで咲いていなかった庭の朝顔が一斉に花をつけていました。
　夏とはすごいものです。